薬剤師の仕事には高い集中力と正確性が求められます。
ADHDの不注意、多動・衝動性の特性があると「自分は薬剤師に向いていない」と感じる場面が多くあるかもしれません。
この記事ではADHDの薬剤師が、仕事で起きる問題の原因について説明します。
また、その対策や特性を強みに変える方法をご紹介します。
「辛い」と感じる3つの理由

まず、なぜADHDの特性があると薬剤師の仕事で困難を感じやすいのか、その原因を見ていきましょう。
「不注意」の特性による失敗への不安
薬剤師の業務は調剤や監査、書類管理、薬歴管理など多岐にわたります。
しかし、ADHDの「不注意」の特性は、これらの業務で大きな壁となることがあります。
一つのミスが患者さんの命に直結する可能性があるため、ミスをしないためには常に神経を張り詰める必要があり精神的に疲弊してしまいます。
「多動・衝動性」が引き起こすコミュニケーションの課題
次に「多動性」や「衝動性」の特性が、服薬指導や人間関係などに影響を及ぼすことがあります。
これらの行動は「協調性がない」「落ち着きがない」と思われ、人間関係の悪化につながることも少なくありません。
「仕事ができない」と自己否定してしまう
ミスが続いたり、周りから注意されると「自分はなんてダメなんだ」「なさけない」と自己肯定感がどんどん下がっていきます。
この自己肯定感の低下こそが、最も深刻な問題です。
失敗や怒られた経験が不安や緊張につながり、それが新たなミスの原因になってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。
明日からできる具体的な対策

ADHDの特性による仕事の困難さは、決して克服できないものではありません。
工夫をすることで仕事のパフォーマンスを格段に上げることができます。
「セルフマネジメント」「職場の配慮」「専門サポート」の3つの視点から解決策を解決します。
「セルフマネジメント」でミスを徹底的に防ぐ
まずは、自分自身でできる工夫から始めましょう。
ポイントは「意志」に頼らず「仕組み」でカバーすることです。
タスクを「見える化」して抜け漏れをなくす
ToDoリストの活用
手帳や付箋、スマートフォンのメモなどを使い、やることをリストアップして優先順位をつけましょう。
完了したらチェックや横線を入れることで自分がどの仕事を終わらしたのか一目で分かり、頭の整理がしやすくなります。
タスクの細分化
例えば、「データを基に医薬品情報をまとめる」といった仕事を行う際は「文献を探す(20分)」「文献を読む(60分)」「資料作成(60分)」のように細分化します。
ポイントは最初に想定した時間よりも+10分くらいで想定して心の余裕をもたせることです。
「ポモドーロ・テクニック」で集中力を維持する
ポマドーロ・テクニックとは「○分仕事+△分休憩」を1セットとして繰り返す方法です。強制的に休憩を挟むことで集中力の持続につながります。
例えば、「5分作業したら30秒休む(水分補給やトイレ)」でもかまいません。
長時間じっとするのが苦手なら、無理に続けようとせず、時間を区切るのが効果的です。
薬歴や報告書等を作成するときに効果的な方法です。
「物を定位置化」で探し物を減らす
どこに何を置いたか分からなくなってしまう場合は物を置く場所を固定してしまいましょう。
ハサミ、ペン、印鑑など、よく使うもの一つひとつに「住所」を作ります。
小物であれば、白衣のポケットに入れるとよいでしょう。
筆者の場合、ペン類やハサミ、計算機は胸ポケットに、印鑑は左ポケット、メモ帳は右ポケットと場所を決めています。
テプラなどで名前のシールを作るのもおすすめです。
目で見て何がどこにあるか分かるので探す手間を大幅に減らせます。
「指さし確認」で衝動的な行動を抑える
ピッキングする時や数を数えるときに指さし確認をする癖をつけましょう。
指さし確認はうっかりミスを大幅に減らすというデータがあるくらい効果的な方法です。
声を出す必要はなく、指をさすだけで大丈夫です。それだけで対象物に意識が集中してミスを減らすことができます。
職場の理解を得る
個人の努力だけではどうしても限界があります。
自分の特性を理解してもらい、上司・同僚に適切な配慮を求めましょう。
指示は「具体的」に「文字」でしてもらう
口頭での指示は、聞き漏らしたり忘れたりしがちです。
協力者を見つける
自分の特性を理解し、サポートしてくれる人を見つけると仕事が格段にやりやすくなります。
作成した提出書類の誤字脱字のチェックや、やりっぱなしで放置してしまった作業を教えてくれる人が職場に1人でもいると仕事のミスを減らすことができます。
また、自分の悩みを相談し客観的なアドバイスをもらうことで、自分では気づけなかった問題点を知ることができ、それに対する対処法も一緒に考えてくれるでしょう。
専門家のサポートを受ける
一人で抱え込まず、専門的なサポートを受けることも大切な選択肢です。
専門医による「薬物療法」を検討する
ADHDの特性は、脳の機能的な特性によるものです。
精神科や診療内科で治療をうけることで不注意や衝動性をコントロールしやすくなる場合があります。
自分自身が治療経験を持つことで、本当の意味で患者さんの気持ちに寄り添った、説得力のある服薬指導ができるという強みに繋がります。
病気のことを一番理解できるのはその当事者です。
自分自身が経験していることは何よりの強みです。
専門機関に相談する
障害者手帳の有無にかかわらず、ADHDの特性を持つ人の就労をサポートしてくれる専門機関があります。
自分の特性に合った仕事の探し方や職場でのコミュニケーションの方法などのアドバイスをもらえます。
自分の特性を活かす

ここまでADHDの大変な側面をお伝えしてきましたが、その特性は見方を変えれば大きな「強み」にもなり得ます。
特性を無理に直そうとするのではなく「活かす」という視点を持つことであなたの強みを発揮できます。
「環境を変える」という選択肢をもつ

自分なりのできる努力をしても今の職場で働きづらさを感じるのであれば、それはあなたが悪いのではなく、働く環境が合っていないだけかもしれません。
自分に合った環境に移ることで、驚くほど仕事がスムーズに進み、自信を取り戻せるケースは非常に多いのです。
ADHDの特性に合う「働きやすい職場」
では、どのような職場が「働きやすい」のでしょうか?
以下のポイントをチェックしてみてください。
「働きやすい職場」の探し方
とはいえ、自分にとって働きやすい職場を見つけるのは難しいですよね。
そこでおすすめしたいのが、薬剤師専門の転職エージェントを活用することです。
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【まとめ】あなたに合った場所で輝こう!

ADHDの特性を持つ人が薬剤師として働く上での大変さは、決して能力が低いからではありません。
特性と業務内容のミスマッチが原因であることがほとんどです。
仕組み化で工夫し、周囲の理解を得て、時には専門家の力を借りる。そして、どうしても合わない環境なら、勇気を出して自分に合った場所へ移る。
その選択肢を持つだけで、心はぐっと軽くなるはずです。
この記事が、あなたが自分らしく、薬剤師の仕事を続けていくための、はじめの一歩となれば幸いです。
