「今の職場で、自分は正当に評価されているだろうか…」
薬剤師として日々奮闘する方の中には、こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
- 仕事は忙しいのに給料はなかなか上がらない
- 上昇する家賃や生活費
- 人間関係が悪く職場で強いストレスを感じている
もし、あなたがこれらに少しでも当てはまるなら、この記事は「最高のキャリアをつくる」ための指針になるかもしれません。
実は、薬剤師が不足している地域ではたらくことで、あなたの薬剤師としての価値を大きく上げることができるかもしれません。
この記事では、厚生労働省の公式データに基づき、「薬剤師が不足している地域で働くこと」がいかにして大幅な年収アップ、大きなやりがい、そして理想のワークライフバランスを実現する鍵となるかを徹底的に解説します。
地域ごとの
薬剤師数の偏り

「薬剤師不足」とよく言われますが、問題の本質は「薬剤師全体の数が足りない」ことではなく、必要な場所に必要な人数が少ないことにあります。
まずは客観的なデータで、この実態を解き明かしましょう。
過不足を示す指標
「薬剤師偏在指標」とは?
地域ごとの薬剤師の過不足を示す指標として厚生労働省は「薬剤師偏在指標」というもの策定しました。
これは、各地域の「需要(必要な業務量)」と「供給(薬剤師の労働時間)」を基に計算されます。
この指標は、年齢構成や勤務形態まで考慮したデータであり、薬剤師が本当に不足している地域を正確に表しています。
これまで、地域の薬剤師数を比較するのに「人口10万人あたりの薬剤師数」が使われてきました。
しかし、この指標では地域の年齢構成や医療ニーズの違いが反映されず、実態とズレがありました。
【深刻な現実】
全国で不足する「病院薬剤師」
薬剤師の偏在は、業態によって大きな差があります。
特に深刻なのが「病院薬剤師」の不足です。
厚労省のデータによると、薬局薬剤師の偏在指標は全国平均「1.08」と基準値を上回っています。
一方、病院薬剤師の偏在指標は、東京や大阪を含む全国47全ての都道府県で「1.0」を下回っています。
全国平均はわずか「0.80」。これは、日本全国どこであっても病院薬剤師が足りていないことを示しています。
このことから病院薬剤師の就職はどの地域においても売り手市場である、ということが分かります。
薬剤師が本当に必要と
されている地域はどこか?
業態だけでなく、地域間の薬剤師の偏在も依然として深刻です。
指標の1つである「人口10万人あたりの薬剤師数(令和2年時点)」が参考になります。(全国平均:198.6人)
薬剤師数が多い都道府県(充足地域)
- 徳島県:238.6人
- 東京都:234.9人
- 兵庫県:221.2人
- 広島県:221.2人
- 香川県:216.4人
都市圏や薬学部のある県が多いです。
薬剤師数が少ない都道府県(不足地域)
- 沖縄県:148.3人
- 福井県:157.0人
- 青森県:161.2人
- 山形県:167.8人
- 福島県:171.0人
特に東北地方や北陸地方で顕著です。
これらのデータを踏まえると、キャリアアップのための秘訣が明確になります。
- 病院薬剤師を志すなら:全国どこでも需要は高いが、特に青森県や秋田県など「全体の薬剤師数」も「病院薬剤師の充足率」も低い地域では、好待遇な求人が見つかる可能性が高い。
- 薬局薬剤師で働くなら:沖縄県や福井県のように絶対数が不足している地域では、地域医療に不可欠な存在として、極めて有利な条件で働くことができる可能性が高い。
【一覧比較】
需要の高い地域はどこ?
客観的なデータと地域の特性を一覧表にしました。
| 都道府県 | 人口10万人あたり薬剤師数 | 病院薬剤師充足率 | 平均年収(参考値) |
| 青森県 | 161.2人 | 55%(全国最低) | 498.6万円~651.9万円 |
| 秋田県 | 179.6人 | 56%(全国ワースト2位) | 680.5万円 |
| 福井県 | 157.0人 | (不足傾向) | 598.8万円 |
| 沖縄県 | 148.3人(全国最低) | (不足傾向) | 561.8万円 |
| 比較:東京都 | 234.9人 | 94% | 588.8万円 |
注目すべきは、薬剤師不足が深刻な秋田県の平均年収が全国トップクラスである点です。
薬剤師の不足度合いと給与水準の高さが連動していることが分かります。
なぜ薬剤師不足の地域は
「高年収」なのか?

都市部より地方の年収が高い理由
都道府県別の薬剤師の年収の上位はこの様になります。
都道府県別 薬剤師年収ランキング
- 広島県:706.0万円
- 秋田県:680.5万円
- 宮城県:672.6万円
- 鹿児島県:644.5万円
- 鳥取県:630.3万円
参考:令和5年賃金構造基本統計調査
全国平均が577.9万円である中、これらの県は50万円以上も上回っています。
一方で、薬剤師が集中する東京都は23位(588.8万円)、大阪府は11位(606.7万円)です。
なぜこうなるのか?
こちらも需要と供給で説明できます。
- 都市部:薬剤師が飽和しており、給与が抑えられがち。
- 地方(不足地域):慢性的な人材不足のため、薬局や病院は高い給与を提示しないと人を確保できない。
薬剤師が不足する地域へ移ることは、あなた自身を「価値の高い市場」へ移すことなのです。
給与以外にも!
「住宅手当」など福利厚生
地方の求人が魅力的なのは、高い給料だけではありません。
手厚い福利厚生が、生活のコストを下げて実質的な手取り額を上げます。
特に大きいのが「住宅手当や社宅制度」です。
薬剤師を確保するために家賃の大部分、あるいは全額を負担する企業も少なくありません。
家賃相場が低い地方で、家賃補助が受けられれば、実質無料で家を借りれます!
加えて、引っ越し費用の補助や通勤手当などの充実した福利厚生があなたの実質収入をさらに引き上げます。
地方で高時給の
パート・派遣で働く選択肢
薬剤師不足の恩恵を得られるのは正社員だけではありません。
パートや派遣といった柔軟な働き方では、時給の高さがより顕著になります。
派遣薬剤師に目を向けると、その差はさらに広がります。
薬剤師不足が深刻な地方では、時給3,500円は珍しくなく、へき地や離島では時給4,000円~4,500円を超える求人も存在します。
仮に時給4,000円でフルタイム勤務すれば、年収換算で768万円。
これは多くの正社員の年収を上回る水準です。移住前のお試し期間や、短期間で集中して稼ぎたい場合にも、非常に魅力的な選択肢となります。
地方転職の
メリット・デメリット

メリット:お金以外の価値(キャリアと生活の質)
キャリア形成
地方では、薬剤師一人ひとりが地域医療の「重要人物」となります。
医師や看護師、ケアマネジャーとの距離が近く、チーム医療の一員として地域医療に大きく貢献ができます。
地域全体の保健活動への参画など、責任ある立場を早くから任されることが多く、薬剤師としてより成長することができます。
ワークライフバランス
都市部に比べて通勤時間が短い傾向にあります。
都市部の往復1時間半以上が、地方では30分程度になることも珍しくありません。
この浮いた時間で、趣味や家族サービス、自己研鑽ができ、人生の質が劇的に向上します。
毎日往復で2時間の通勤時間の差がある場合、月間で約40時間の差が生まれます。
この時間を自分のやりたいことや好きなことに充てられたら人生も充実しますよね!
経済的自由への近道
「高い収入」と「低い生活費(特に家賃)」の組み合わせで効率的に資産形成ができます。
貯蓄や投資に回す余裕が生まれ、経済的な安定が精神的な自由や安心をもたらします。
未経験やブランクがあっても歓迎される
深刻な人材不足を背景に、地方の雇用主は採用に積極的です。
都市部では敬遠されがちな調剤未経験者や、ブランクのある40代・50代の薬剤師に対しても門戸は広く開かれています。
デメリット:ライフスタイルと求人数
自己研鑽における不安
勉強会や学会へのアクセスが限られるため、「最新情報が得られないのでは」という不安があります。
解決策
学会参加や研修への費用補助など、自己研鑽を支援する制度が整っている転職先を選ぶことが重要です。
また、地域の薬剤師会への参加や、オンライン学習を最大限に活用する主体的な行動が求められます。
今はインターネットで最新の情報を得ることができるので都会と田舎の情報格差はほとんどないと考えて良いですね!
地方特有のライフスタイル(車社会・人間関係)
電車やバスの本数が少なく、移動には自家用車がほぼ必須となります。
また、場所によっては地域コミュニティが密接であるため、人間関係を「煩わしい」と感じる可能性もあります
解決策
これは「慣れ」の部分も大きいですが、転職前に現地の生活環境をよくリサーチすることが不可欠です。
求人の選択肢が少ない
地方では、そもそも薬局や病院の数が少ないため、転職先の選択肢は都市部に比べて限定されます
解決策
この「選択肢の少なさ」というデメリットは専門の転職エージェントを活用することで解決できます。
個人では見つけられない非公開求人や、組織の内部事情に精通したコンサルタントのサポートが、失敗しない転職をサポートしてくれます。
移住を後押しする
公的支援制度

地方への転職を後押しするため、国や自治体は支援制度を用意しています。
奨学金返還支援制度
(長野・沖縄・高知などの例)
多くの薬剤師にとって重い負担である「奨学金の返済」。
これを自治体が肩代わりしてくれるのが「奨学金返還支援制度」です。
この動きは全国に広がっており、令和5年度の調査では、全ての都道府県と約半数の市区町村が何らかの支援制度を実施しています。
- 長野県の事例: 県内の病院に勤務する薬剤師を対象に、月額最大45,000円を最長6年間(総額324万円)補助。
- 沖縄県の事例: 全国で最も薬剤師が不足している沖縄県も、県内就業を条件とした助成制度で人材確保に努めています。
- 秋田県の事例: JA秋田厚生連では、指定病院で一定期間勤務することで返済が免除される独自の奨学金制度(月額最大15万円)を設けています。
これらの制度は、自治体が薬剤師確保を「重要政策」と位置づけている証拠です。
ご自身が住んでいる自治体や移住を考えている自治体の制度をぜひ調べてみてください!
奨学金以外も!最大520万円の例も(福島県の移住支援金)
薬剤師特化の支援に加え、「移住支援金」もとても魅力的です。
特に強力なのが、福島県の12市町村移住支援金制度です。
これを組み合わせると、例えば子供2人の薬剤師4人家族が移住した場合…
(基本200万 + 子供加算200万 + 専門職加算120万)= 合計520万円
という、大きな支援を受けることが可能です。
これだけの支援があれば、移住に伴う経済的な不安はほぼ解消されるのではないでしょうか。
ここでは紹介しきれない支援制度もたくさんあります!
薬剤師不足地域への
転職を成功させる方法

転職をする際に一番難しいのが「自分に合った職場を見つけること」ではないでしょうか
ここで活用すべきなのが、薬剤師専門の転職エージェントです。
なぜ転職エージェントを使うべきなのか?
地方転職において、エージェントの利用は「必須」といっても良いです。
転職エージェントが必須な理由
- 職場の「生きた情報」に精通している
求人票ではわからない職場の雰囲気、経営者の人柄、地域の医療連携の状況など、失敗しないために不可欠な内部情報を持っています。 - 「非公開求人」へのアクセス
好条件の求人は基本的には一般に公開されておりません。選択肢が限られる地方において、非公開求人へのアクセスは必須です。 - 面倒な「交渉」を全て代行してくれる
給与や福利厚生、勤務条件の交渉は、プロであるエージェントに任せるのが最善です。あなたに代わって、より良い条件を引き出してくれます。
Uターン・Iターン転職の特化サポート
地元に戻る「Uターン」や、新しい土地へ移る「Iターン」には悩みや戸惑いが伴います。
転職エージェントではUターン・Iターン希望者向けの個別相談会を開催するなど、移住転職のサポート体制が充実しているものもあります。
地域の求人動向や生活情報を熟知したアドバイザーが、不安を解消しながら転職活動を全面的にバックアップしてくれます。
おすすめ薬剤師転職エージェント4選
薬剤師の地方転職を成功させるには、手厚いサポート体制を持つ、信頼できるパートナー選びが鍵です。
オススメの転職エージェント
複数のエージェントに登録し、担当者との相性や求人の質を比較するのが、おすすめの方法です。
登録から相談、内定まで完全無料で利用できます。
なんで無料で使えるの?
転職エージェントは紹介した人が内定・入社した時に企業から報酬をもらう仕組みなので、私たちは無料で利用できるのです!
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| エージェント | 主な特徴 | こんな人におすすめ |
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【まとめ】
薬剤師不足の地域は、
あなたの価値を最大化する

「薬剤師が不足している地域」への転職はあなたの薬剤師としての価値を上げ、収入ややりがいをアップさせるための効果的な方法です。
薬剤師不足の地域への転職のメリット
- 経済的な恩恵:全国平均を大幅に上回る高年収と、家賃補助などの手厚い福利厚生。
- 専門性の向上:地域医療の中核として、専門的で責任ある役割を任せられる。
- 生活の質の向上:通勤ストレスからの解放と、理想のワークライフバランスの実現
- 公的支援制度:奨学金返還支援や高額な移住支援金。
地方で働くことに興味をもっている方はまずは一歩を踏み出し、転職エージェントに無料相談を申し込んで話を聞いてみてはいかがでしょうか。
