はじめに:雑談なんてムダ?と思っていませんか?
- 「雑談=時間の無駄、ヒマつぶし」は大間違い!
- 実は、雑談が人間関係・脳の働き・仕事力を高める鍵だった!
書籍紹介:「最高の雑談力」 茂木 健一郎 著
雑談の効果①:脳の活性化と創造力アップ
- 雑談中にアイデアや新しい発見が生まれる
- 雑談で自分の考えに気づくこともある
薬剤師の現場でも、ふとした会話で業務の新しい改善案や気づきが得られることがありませんか?
例えば、薬品棚の配置を変えることでピッキングを楽にして効率的に調剤できたり、よく出る処方の予製をつくることで大幅に時短することができます。
こういった業務の改善案はかしこまった会議で生まれるのではなく、「ここ、こうだったら便利だよね」「この作業面倒くさいよね、こうなったらいいのに」のような何気ない会話がきっかけになることが大いにあります。
ぽつんと出た不満に対して「だったらこうしたらいいんじゃない?」という案もその時の思いつきのことが多いです。
また、人の雑談を聞いていて、「今ままで何も感じていなかったけど確かにここは非効率だな」と新たに気づくことがあります。
人と雑談をする、また、人の雑談を聞くことで自分の考えを認識することができ、それを発信することでさらに話が広がる。とてもよい循環です。
この循環を繰り返し、課題の改善を繰り替えすことでよりよい職場づくりができると思います。
- 脳が最もよく働くのは「確実性と不確実性」のバランスよいとき
不確実性こそが考える機会を与え、あなたやあなたの店舗の課題に気づかせてくれます。
確実性とは、経験したこと、得意なこと、なじみのあること
不確実性とは、やったことがないこと、不得意なこと、未知のことをいいます(ヘルプなど)
人は確実性の多い業務を求めがちです。
それは確実性がたくさんあると安心して仕事ができるからです。ただ、確実性がたくさんあるということは新しい刺激に触れる機会が少なく、自分や自分の店舗の課題に気づきにくくなります。
逆に、不確実性の多い業務は新しい情報が多く、ミスをする不安や恐怖が大きいです。
その代わり、自分や自店舗の課題に気づかされることが多いです。
ヘルプ先の店舗で経験豊富な先輩方に今感じている課題や仕事のやり方、仕事で困っていることを話すと的確なアドバイスをくださることが多いです。
普段自分と違う環境で仕事をしている人と話すと新しい視点や思いもつかなかった考え方に気づかせてくれることがあります。
雑談の効果②:人間関係と信頼の構築
- 雑談は「共感回路」を作る
- 対話だからこそ、感情を共にできる
- 雑談から「いい情報」が手に入る
同僚とのちょっとした雑談が信頼関係につながり、仕事のしやすさが大きく変わります。
最近ではラインやX等のSNSでの交流や情報交換が主流になってきましたが、実際に会って話すからこそ得られるものがあります。
その1つが「共感」です。お互いの悩みを話し合いそれぞれの感情の共感する、それによって脳に共感の回路が構築されよい解決策が見つかりやすくなります。
また、共感の回路が構築されることで相手のことをより理解でき、普段の雑談の回数も多くなります。普段の雑談が多いということはそれだけ情報が共有されるということ。出荷調整の薬品やその代替品、今月の割り当て分の数量や入荷時期、メーカーや先発品⇔後発品の変更などの情報は早急に共有した方がいいですよね。
雑談がうまい人=仕事ができる人?
- 雑談力と仕事力には相関関係がある
- 雑談上手はアドリブ力が高い
「話し上手=仕事が早い・段取りがうまい」と感じた経験、ありませんか?
著書では雑談力と仕事力には相関関係があると示されています。
それは雑談がうまい人はアドリブ力(臨機応変にものごとに対応できる力)が高いからです。
「患者さんからの急な質問にも、臆することなく丁寧に答えている。それをきっかけにかかりつけをとっている」
「出荷調製品の急な欠品時にも動揺せず、卸や他の系列店・近隣の薬局への連絡、メーカーや先発品⇔後発品の変更等を即座におこなっている」
そんな対応力のある人は普段の話が上手だとは思いませんか?
会話とはアドリブの連続です。雑談がうまい人は会話の中で相手が何かを聞いてきたら分かりやすく説明する。相手が理解できていなかったら別の言い方を即座に考え伝えることができます。
雑談がうまい人=相手が何を求めているか即座に理解し、自分が今すべきことを実行できる人
だから仕事ができる人なのです。
雑談力を高める5つのテクニック
- 質問力を鍛える:「なぜ好きなの?」など相手の話を掘り下げる
→人は自分の話を聞いてほしいものです。話を興味深く聞いてくれて気持ちよく話させてくれる人は好かれます。その結果、有益な情報が得られることも。 - 話を要約する:「つまりこういうこと?」と整理する
→話していて、結局自分が何を話そうとしていたのか分からなくなってしまう人がいます。そういう時に相手の話を要約して伝えてあげることで「話をちゃんと聞いてくれていたんだな」と相手からよい印象を得ることができます。 - カミングアウト:自分の失敗談や不幸話で親近感
→人の不幸は蜜の味と言われるように、人の失敗談や不幸話は聞いていて楽しいものです。また自分をさらけ出すことで相手があなたに対してつくっている壁を壊せることも。
ただ、やりすぎは禁物です。あまりにひどい失敗談や不幸話は相手の警戒感が強めてしまうことも。ほどほどに笑える程度の話にしておくことが大事です。 - さりげなく褒める:相手のドーパミンを引き出す
→探そうと思えば相手のいいところも悪いところもいくらでも見つかります。あえていいとことを探して、それを相手に伝えるのです。
相手は褒められると単純にうれしいし、自分のことをよく見てくれているんだなど好感を覚えます。 - 共通の知人の良い話をする:親近感と共感が得られる
→話の話題がなかったら共通の知人の話をすることをオススメします。その方の良いところやエピソードを話すと、相手はあなたに親近感・共感を覚えます。
筆者自身もヘルプで他店舗に行ったときは、共通の知人の話を良くします。その人を褒めたり、苦労を一緒に乗り越えたエピソードを話すと興味をもって聞いてくれます。
雑談のNGパターンも忘れずに
- 悪口や白黒つける会話は避ける
→悪口は言わずもがなですね。自分の信用を無くす原因になります。
筆者は特定の人の愚痴も言わないようにしています。
やりがちなのが白黒をつけようをすること。問題に対して建設的な議論をすること良いことですが、白熱しすぎるとけんかになることも。どちらかが譲歩して相手の意見を聞いてあげて、それがうまくいかなければ今度は自分の意見を実行すればいいのです。 - 「面白くなければいけない」と思いすぎない
→「面白い話をしなければ」と思いすぎて何も話せなくなっては本末転倒です。
たわいのない最近の出来事やおちのない話でも全くかまいません。
話すことがなければ聞き役に徹することもいいでしょう。
大切なのは相手と同じ時間を共有することです。
まとめ:雑談は、最高の自己投資であり、他者貢献
- 雑談は人間関係を改善し、仕事も円滑に!
- 雑談力はスキルであり、誰でも身につく
雑談をして仕事も人生も豊かにしていきましょう!!