「6年間も大学で勉強して国家試験にも合格したのに、思ったより給料が低い…」
薬剤師として働いていて一度はこんな風に感じたことがあるかもしれませんね。
たくさん勉強した割には、給料が見合っていないと感じたり、将来のお金に不安を感じたり…。
この記事では、そんな薬剤師のモヤモヤを解消するために、以下の点を分かりやすく解説していきます。
この記事で分かること
- データで見る!薬剤師の給料は本当に「安い」のか?
- 給料が上がりにくい2つの「壁」
- 収入を劇的にアップさせる5つの具体的な方法
この記事を読めば、「給料が安い」と嘆く日々から抜け出し、あなた自身の力で理想のキャリアと収入を手に入れるための具体的な道筋が見えてきます。
薬剤師の給料は「安い」?
データで見る年収

まずは客観的なデータを見て、薬剤師の年収が世間一般と比べてどの位置にあるのかを確認してみましょう。
薬剤師の年収は平均年収より
100万円以上も高い!
厚生労働省の調査によると、薬剤師の平均年収は約580万円です。
これは、日本の働く人全体の平均年収である約460万円と比べると、100万円以上も高い水準です。
| 職種 | 平均年収 |
| 薬剤師 | 約580万円 |
| 全産業平均 | 約460万円 |
| 医師 | 約1,437万円 |
| 看護師 | 約520万円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」、国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」などを参考に作成
データだけ見れば、薬剤師は十分に高収入な職業と言えます。
なぜ「割に合わない」
と感じてしまうのか?
それなのに、多くの薬剤師が「給料が安い」と感じるのはなぜでしょうか?
その理由は主に3つあります。
- 学費が高い:私立大学だと6年間の学費だけで1,200万円以上かかります。
これだけ時間とお金を投資したのに、見返り(給料)が十分ではないと感じてしまうのです。 - 医師との格差:同じ6年制の医療系国家資格である医師の平均年収は約1,437万円。薬剤師の2倍以上です。この大きな差が、不満の一因となっていると考えられます。
- 看護師との差:年収を比べると4年生大学を通った看護師とそれほど差がないのも給料に不満感じる要因です。(ただ、看護師は夜勤があったりと大変な職業なのでただ単に年収だけで差をつけるもの良くないかもしれません。)
つまり、薬剤師の給料は「世間一般と比べれば高いが、費やした努力や他の医療職と比べると物足りない」というのが、多くの薬剤師が思うところです。
「平均年収」にダマされるな!
働く場所が給料を決める
「薬剤師の平均年収580万円」という数字はあくまで平均なので実際のところあまり参考になりません。
どこで働くかによって年収が全く変わってきます。
- 製薬会社 (MRなど):平均年収 約720万円〜 (トップクラスは1,000万円超えも)
- ドラッグストア:年収 500万円~1,000万円 (店長やエリアマネージャーなど役職次第)
- 調剤薬局:年収 450万円~730万円 (管理薬剤師やエリアマネージャーになれば大きくアップ)
- 病院:年収 380万円~700万円 (他の職場に比べると低めの傾向)
このように、年収380万円の病院薬剤師も、年収1,000万円のMRも、すべてまとめて「平均580万円」となっているのが実態です。
あなたの給料が高いか安いかは、どの業界で働くかに大きく左右されるのです。
給料が伸び悩む2つの要因

原因①:診療報酬の壁があるから
調剤薬局や病院の売り上げは、国が定めた「診療報酬」という公定価格で決まります。つまり、薬局が自由に薬の値段を上げて儲けることはできません。
売り上げに制限があるため、必然的に利益も限られ、そこで働く薬剤師の給料も上がりにくいという構造的な問題を抱えています。
薬剤師の1日の仕事量を制限する、いわゆる「40枚ルール」も利益を出す上での制限になっていると考えられます。
※40枚ルールとは:薬剤師1人当たりの処方箋枚数上限を40枚とする考え方。
初任給は他の仕事より高くても、その後の昇給が鈍く、長く働いても給料が頭打ちになりやすいのは、この「診療報酬」があるからなのです。
原因②:薬剤師が
「余り始めている」から
もう一つの大きな要因は、薬剤師の数が増えすぎていることです。
特に、多くの人が働きたがる都市部では、すでに薬剤師が余り始めています。
会社側からすれば、「辞めても代わりはすぐに見つかる」状態なので、わざわざ高い給料を払って人材を確保する必要がありません。これが、都市部で給料が伸び悩む原因となっています。
反対に、地方ではまだまだ薬剤師が不足しており、人材を確保するために都市部よりもはるかに高い給料を提示しているケースが多いです。実際に、年収ランキングの上位は地方の県が占めています。
働く場所にこだわらなければ、大幅に収入を上げることも可能です!
薬剤師が給料を上げる
ための具体的な5つの戦略

ここからは、あなたの市場価値と収入を上げるための5つの具体的なキャリア戦略をご紹介します。
キャリアと年収の目安
| キャリアパス | 年収の目安 |
| 病院薬剤師(一般) | ~450万円 |
| 調剤薬局薬剤師(一般) | ~550万円 |
| 管理薬剤師 | 600万円~750万円 |
| ドラッグストア・エリアマネージャー | 650万円~1,000万円 |
| 製薬会社・MR | 700万円~1,000万円以上 |
各種調査データを基に作成
戦略①:管理職を目指す (管理薬剤師・エリアマネージャー)
最も確実で王道なのが、マネジメント職へのキャリアアップです。
- 管理薬剤師:薬局の現場責任者です。スタッフの管理や薬局運営の責任を担う分、給料も大きく上がります。年収600万円~750万円が目安で、一般薬剤師から最初のステップアップとして最適です。
- エリアマネージャー:複数の店舗をまとめる管理職です。経営的な視点が求められますが、その分リターンも大きく、年収1,000万円も十分に狙えるポジションです。
今の職場で昇進が望めない、もっと正当に評価してくれる会社で働きたいという方は、管理職候補の求人を扱っている転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。
戦略②:専門性を武器にする
(認定・専門薬剤師)
「がん」「在宅医療」「精神科」など、特定の分野で高度な知識を持つ「認定薬剤師」「専門薬剤師」の資格を取得するのも有効な戦略です。
- 資格手当がもらえる:会社や病院によっては、資格を持っているだけで月3~5万円(年収36~60万円アップ)の手当がつくことがあります。
- 転職で有利になる:専門性が高い人材は引く手あまた。より条件の良い職場へ転職する際の強力な武器になります。
特に今は、在宅医療(施設・個人)の経験が豊富な薬剤師は市場で高く評価されます!
まずは自分が興味のある分野の資格について調べてみましょう。スキルアップは、着実な収入増につながります。
戦略③:高収入の「MR」になる
薬剤師の資格を活かせる仕事の中で、最も高い収入が期待できるのが製薬会社のMR(医薬情報担当者)です。
- 高い水準の年収:平均年収は約710万円。成果次第では30代で年収1,000万円を超えることも珍しくありません。
- 厳しい世界:ただし、売上ノルマや医師や薬剤師などの医療従事者との関係構築など、プレッシャーは相当なものです。臨床とは全く違う営業の世界で戦う覚悟が必要です。
「薬剤師としての知識を活かしつつ、成果が正当に評価される環境でとにかく稼ぎたい!」という強い意志のある方には、挑戦する価値のある道です。
戦略④:組織に縛られず自由に稼ぐ (副業・フリーランス)
会社員として働きながら、空いた時間で収入源を増やす方法もあります。
- メディカルライター (副業):専門知識を活かして医療系の記事を書く仕事です。最初は時給換算で1,000円程度でも、経験を積めば月4~5万円の副収入を得ることも可能です。
会社によっては副業が禁止されている場合があるので、始める前に社内規則を確認することを推奨します。
- フリーランス薬剤師:特定の薬局に所属せず、業務委託で働くスタイルです。時給が高く(時給3,000円~4,700円も!)、働き方次第では年収1,000万円も視野に入ります。ただし、収入が不安定になるリスクもあります。
戦略⑤:AI時代を生き抜く
「対人業務」のプロになる
今後、AIやロボットの導入で、薬のピッキングなどの単純作業(対物業務)はどんどん自動化されていきます。
これからの時代に価値が高まるのは、AIにはできない「人間的な仕事(対人業務)」です。
特に注目されているのが、在宅医療の分野です。患者さんの自宅へ訪問し、生活背景まで理解した上で薬の管理や指導を行う仕事は、人間にしかできません。
これからの需要拡大は確実で、在宅医療の専門家になることは、AI時代を生き抜くための最も賢いキャリア戦略の一つと言えるでしょう。
【まとめ】
給料が安いと嘆く前に。
行動こそが未来を変える
今回は、「薬剤師の給料は安い」というテーマを深掘りしてきました。
最も大切なのは、「給料が安い…」と不満を言うだけで何もしないのではなく、自分の価値を上げるために行動を起こすことです。
この記事で紹介した5つの戦略を参考に、あなたがどの道に進みたいのかを考えてみてください。
「自分にどんな可能性があるのか分からない」
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